はじめに
リースバックは「家を売っても住み続けられる」として注目されていますが、その裏には見落とされがちな落とし穴があります。本記事では、後悔しないために知っておくべき3つの主要なリスクを解説します。
1. リースバックの家賃高騰リスク
1.1 周辺相場より高くなる理由
リースバックでは、多くの場合家賃が周辺の相場よりも高く設定されます。これは、買主(投資家や不動産会社)が収益を確保するためで、一般的な賃貸契約とは異なる点です。
1.2 契約時と異なる家賃請求への対処法
契約時に「家賃は据え置きです」と言われたにも関わらず、更新時に値上げされるケースもあります。契約書に「家賃の見直し」条項があるかを必ず確認しましょう。
1.3 固定収入世帯への影響
特に年金暮らしなどの固定収入の方は、家賃の高騰によって住み続けられなくなるケースも。滞納が続けば強制退去や信用情報への悪影響もあるため、資金計画の見直しが重要です。
2. 買取価格が相場より安くなる理由
2.1 なぜ60〜80%に抑えられるのか
リースバックでは、家の買取価格が市場相場の60〜80%に設定されることが一般的です。これは、不動産会社が利回りを重視しているためです。
2.2 買取会社の利回り重視の仕組み
「利回り = 家賃収入 ÷ 買取価格」という計算式で、高い利回りを得るためには買取価格を下げる必要があります。よって、売主には不利な価格が提示されがちです。
2.3 納得できないときの対応策
一社だけの査定で即決せず、複数社から査定を取り、条件を比較しましょう。交渉の余地があることも少なくありません。
3. 定期借家契約による住み続けられないリスク
3.1 更新拒否の仕組みと落とし穴
リースバックでは「定期借家契約」が多く用いられます。これは契約期間満了後に更新されず、住み続けることができない可能性があります。
3.2 借主が知らずに退去リスクを背負う例
説明が不十分だった場合、借主は契約内容を理解しておらず、突然立ち退きを求められることがあります。特に高齢者にとっては深刻な問題です。
3.3 契約前に必ず確認すべきポイント
契約書に「更新しない」旨の記載があるか、事前説明があったか、通知期限は守られているか等、借地借家法に基づいた確認が必須です。
まとめ
リースバックは一見便利な仕組みに見えますが、実際には家賃の高騰、買取価格の相場割れ、住み続けられないリスクなど多くの落とし穴があります。後悔しないためには、契約内容を十分に確認し、複数の選択肢を検討することが大切です。